突然終わるかもしれないブログ

確率や統計の内容について記事を書く予定です.

KaratzasAndShreve

Problem5.4.4

Problem5.4.4 連続で適合している確率過程 がd次元のブラウン運動であることの必要十分条件はが任意の に対して連続な局所マルチンゲールになることである.ただし とする.証明 がd次元のブラウン運動であれば, が連続な局所マルチンゲールであることは伊…

Problem5.3.13

Problem5.3.13 はd×d行列で,任意の(t,x)に対して正則であるとする.また は一様に有界であり, の最小固有値は(t,x)によらずに下から正の値で抑えられているとする.さらには初期分布 の弱解を持つとする.このとき確率微分方程式は初期分布 の弱解を持つこ…

Exercise3.5.11(Robins&Siegmund(1973))

Exercise3.5.11 ν>0, c>1 に対して次のような -stopping time を定義する.このとき[証明]よって . またより ・・・(1)あとは であることを示せば十分である.なぜならばこれが成立すればWaldの恒等式からとなり,(1)の両辺の期待値をとって整理すればを得る…

Exercise3.5.10

Exercise3.5.10 Wをブラウン運動,, を前の記事と同じ確率測度とする. を での期待値とすればが成立する.[証明]あとは Exercise2.8.4 と同じように考えればλについての二次方程式 の解は であり, に注意してbの正負で場合分けしてλを選べば結論を得る.[…

Problem3.5.7

Problem3.5.7 を一次元のブラウン運動とする.ただしフィルとレーションはWを可測にする最小のσ加法族とする.Tを -stopping time でかつ, を満たすものとする.このときWaldの恒等式が成立することと,が成立することは同地である.ここで確率測度 は とし…

Exercise2.8.4

Exercise2.8.4 とするとき,となることを,マルチンゲール とOptional Sampling Theoremを用いて示せ. [証明] まず大数の強法則からさらにOSTからここで よりルベーグの収束定理からまた単調収束定理から以上よりとなり結論を得る.[証明終] T_bの分布がわ…

Exercise5.2.27

Exercise5.2.27 次の1次元確率微分方程式の解を陽に求めよ.ただし,Wは1次元ブラウン運動とする.[解] とすると,この確率微分方程式はの解となる.σ(x)は2階連続微分可能で1階微分,2階微分ともにR上で有界である.b(x)も同様であるから,特にLipschitz連…

Exercise5.2.17(Ito-Watanabe(1978))

Exercise5.2.17 Wを標準ブラウン運動とする.以下の確率微分方程式は以下のような非可算無限個の強解が存在することを示せ.ただし,, とする.[証明] がargument化したfiltration(からしゅれp285)に適合するのは明らか.また初期条件はであり,さらにより…

Problem3.3.23

Problem3.3.23 をd(≧3)次元のr(>0)を出発するベッセル過程とする. とするとき,となることを示せ.つまりYはベータ分布に従う.[証明] 伊藤の公式より, は局所連続マルチンゲールである.従ってあるstopping timeの列 で がマルチンゲールとなり, となる…

d(≧3)次元ベッセル過程はt→∞でほとんど確実に無限大に発散する

Problem3.3.24 をr(≧0)を出発するd(≧3)次元ベッセル過程とする.このときが成立することを示せ.証明 伊藤の公式から は非負値局所連続マルチンゲールである.よって連続な優マルチンゲールであるから が存在する.重複対数の法則より .よって となる.これ…

一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例2(M.Yor)

一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例(M.Yor)上の記事で一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例を調べたのですが,からしゅれでは次のExerciseでまたこれと同じ種類の例を挙げているので,証明…

exponential supermartingale

Problem3.2.28 をstandard Brownian motion とし をmeasurable,adaptedでを満たす確率過程とする.つまり確率積分は定義できるものとする.このときと定義する. は優マルチンゲールであることを示せ.また が単過程のときマルチンゲールであることを示せ.…

一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例(M.Yor)

Exercise3.3.36 を0を出発するd(≧3)次元ベッセル過程とする. は(i) 局所マルチンゲールであり, (ii) に対して (従って一様可積分)を満たし, (iii) マルチンゲールでないことを示せ.[証明] (i)Rが有界な範囲で止めて伊藤の公式を用いると有界変動の項が消…

Levy's Characterization の反例っぽいもの(反例ではない)

Exercise3.3.17 を3次元の0を出発するブラウン運動とし,とおく.このとき,どの二つのペア も2次元のブラウン運動になるが, は3次元のブラウン運動にならないことを示せ.またこれが,Levy's Characterization Theoremに矛盾しない理由を説明せよ.つまり…

確率積分における部分積分の公式

Problem3.3.12, を連続セミマルチンゲールとし,とする.ただし,M,Nは連続局所マルチンゲール,B,Cは適合した連続で有界変動な過程とする.また とする.このとき以下のような部分積分の公式が成立する.[証明] , とし, とする.このとき伊藤の公式より同…

からしゅれProblem4.2

からしゅれのProblem4.2でが本当に-可測なのか?というのが今日のゼミで話合いになった.ゼミで解決した方法よりも簡単な方法を発見したっぽいので書いておきます. を時刻tでの射影とする. の定義より は 可測関数.よって極限関数であるも -可測関数であ…