突然終わるかもしれないブログ

確率や統計の内容について記事を書く予定です.

Sardの定理

冬休みを使ってSardの定理の証明(松島「多様体入門」)をもう一度おってみた.


Sardの定理: を可分な多様体の間のC^∞ 級写像とする.f の臨界値の集合は測度0である.


まずn次元多様体Mの部分集合Aが測度零であるとは,Mの座標近傍系を として ルベーグ零集合であると定義されている.これが座標近傍系の定義によらないことは次の補題から示される.


補題1: をC^1級とし,Aをルベーグ測度零集合とするときf(A)もルベーグ零集合である.


http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1224018907 では多様体にリンデーエフ性やσコンパクト性を仮定しないと成り立たないということで決着しているみたいだけれど,その仮定は必要ないと思う.何故ならばユークリッド空間はσコンパクトであるから,Mの別の座標近傍系を として

とでき,結局 が測度零集合であることが示されればよく,あとはコンパクト性と補題1から主張が従う.


ここまでは良かったのだけれど次の主張で詰まってしまった.

補題2: M,M'をそれぞれn,m次元可微分多様体とし,fをMからM'への可微分写像とする.そのとき

(i) n < m ならば f(M) は M' の測度0の部分集合

(ii) n=m のとき A を M の測度0の部分集合とすれば f(A) も測度0である.

(i)は(ii)から従うので(松島参照)良いのだけれど,(ii)は補題1とMの測度0の定義から明らかとあるがわからない.M'の座標近傍系 として が測度0集合であることを補題1を使って示すにはどうするんだろうか・・・