突然終わるかもしれないブログ

確率や統計の内容について記事を書く予定です.

cross variation の一意性

主張

(2乗可積分マルチンゲールでかつ)とする.このとき がマルチンゲールとなり,しかも という分解を持つものはindistinguishabilityを除いて一意である.ただし

とする.


証明

をX,Yの二次変分過程とする. がマルチンゲールであるから,

もマルチンゲールである.Doob-Meyer分解の一意性(natural,increasingなので)より

実際 がincreasingであることは

より従う.

同様に

辺々引いて4で割れば

[証明終]


からしゅれの復習をしていてぱっと示せなかったので一応書き留めておくことにしました.連続だとさらに局所化のテクニックを使って連続なcross variationの一意性も示せます.この主張からcross variationの双線形性やシュワルツの不等式の類似物,cross variationの全変動を上から抑える不等式を得ることができ,Kunita-Watanabeの不等式などを得ることができるので,重要な主張だと思います.(Karatzas-Shreve参照)