突然終わるかもしれないブログ

確率や統計の内容について記事を書く予定です.

Xを時間に関して一様でないマルコフ過程とするとき,(t,X_t)は時間に関して一様なマルコフ過程となる.

ChapterIII Exercise(1.11) (Revuz-Yor)
Xが時間に関して一様でないE値マルコフ過程とするとき,(t,X_t)は時間に関して一様なR_+×E値マルコフ過程となる(これを"time-space" processと呼ぶ)ことを示せ. またこのとき,推移関数(transition function)を書き下せ.

[証明]
Xは時間に関して一様でないマルコフ過程なので,あるフィルター付き確率空間 で Xは に適合し,任意の有界な非負値可測関数 f, , 推移関数

が成立している.初期測度を とする.Thorem(1,4)[Revuz-Yor, p81]より,任意の と非負値有界可測関数 f_i に対して

が成立している.ここで 上の確率測度を次のように定義する. に対して

つまり, とする.このとき,R_{t,s} は時間に関して一様である.つまり, が成立する. とすると,Fubiniの定理より は推移関数となる.また 任意の と非負値有界可測関数 f_i, g_i に対して

となることもFubiniの定理から分かる. 可測関数を単関数近似して,一般の有界非負値可測関数について上と同じ等式を得るので,再びThorem(1,4)[Revuz-Yor, p81]より(t,X_t)は時間に関して一様なマルコフ過程となる.[証明終]


少し混乱してR_{s,t}を定義するのに苦労しました.