突然終わるかもしれないブログ

確率や統計の内容について記事を書く予定です.

Hilbert--Schmidt作用素はコンパクト作用素

主張

を可分なヒルベルト空間とし, から へのHilbert-Schmidt作用素とする.このとき はコンパクト作用素である.

証明

事実1

をコンパクト作用素とし,

であるならば, はコンパクトである(コンパクト作用素の全体はバナッハ空間なので).

事実2

有界線形作用素の値域が有限次元空間であればコンパクトである(有限次元と局所コンパクトは同値).



この二つの事実を用います.

内積とし, を完全正規直交系とする.有界線形作用素

と定義する.事実2より はコンパクト. に強収束することを示せば,事実1より はコンパクトとなり,主張が示されたことになる.

は完全正規直交系であるから,

.

したがって任意の に対して

となる. はHilbert-Schmidt作用素であるから,

以上より に強収束する.[証明終]




Hui-Hsiung Kuoの Gaussian Measures in Banach Spacesという本を読み始めました.上の主張はこの本のExerciseになっています.抽象ウィナー空間が分かるようになりたいです.

Gaussian Measures in Banach SpacesGaussian Measures in Banach Spaces
Hui-Hsiung Kuo

2006-06-29
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