突然終わるかもしれないブログ

確率や統計の内容について記事を書く予定です.

Riemann測度

というのがあるらしい.具体的にはRiemann多様体M上のコンパクトな台を持つ関数全体から,Rへの線形汎関数


を定義してRieszの表現定理から多様体上にRadon測度を構成できるらしい.

この測度空間 に置いて をMの体積と呼ぶらしい.特にコンパクトで向き付可能のときは体積要素の積分と一致してる(f=1)からその拡張なのか?

Sardの定理で多様体上の測度0集合は定義するのに多様体上に測度を入れないのはなんか気持ち悪いなと思って調べたら,このRiemann測度というのが出てきた.


しかも

 σコンパクトなRiemann多様体(M,g)の任意の座標近傍系をとる(局所有限でなくてよいし非加算でよい). このとき次は同値.

(i) かつ
(ii) 任意の に対して ルベーグ可測集合かつそのルベーグ測度は0

この(ii)の定義は多様体上の測度0集合の定義そのものだからσコンパクトなRiemann多様体に関してはこの測度空間で考えるとSardの定理とかの議論も少しは見やすくならないかな.位相多様体が第二可算公理を満たすこととσコンパクトであることは同値で,パラコンパクトならRiemann計量が存在するからSardの定理の仮定からRiemann測度入れられるし.


うーん幾何と解析を混ぜたような話をもっと勉強してみたいです.精進あるのみですかね・・・

モレラの定理

複素解析の勉強をしてたらモレラの定理というのを学んだ.


モレラの定理: 関数f(z)がz平面上の領域S内において連続であり,かつS内の任意の閉曲線Cに対して常に

を満たすならばf(z)は領域Sの内部の至る所で正則である.



野口先生の複素解析の証明を読んでいて の条件をどこで使ったのかよくわからなかったけど,これは原始関数が一価関数であることを保証していることが分かった.

圧倒的複素解析弱者から脱却しなければ.

気になったので

Twitterで流れてきたので


一次元(多分Rのこと)閉集合で内点をもたないルベーグ測度が正である集合は存在するか?


Baireのカテゴリー定理を使うんじゃないか?というつぶやきを見たけど一回生のレポート課題みたいだからもっと初等的に示せるのかも.

内点を持たないという条件をどう使えばいいものか・・・


追記:数学科の優秀な方が解いたので回答メモ(つぶやき引用)

[0,1]の有理数を順序づける。n番目の有理数に対しそれを中点とし、長さ2^(-n-1)の開区間Inを対応させる。A=[0,1]\setminus ∪Inとおく。可算和だから閉集合有理数の稠密性より内点を持たない。Aの測度はΣ2^(-n-1)<1であることより正。

なるほどー.この証明によれば任意のε>0に対して[0,1]の部分集合で問題の条件を満たし,その測度が1-εよりも大きくなるものが存在するのか.

Sardの定理 (続き)

昨日の記事で(ii)の主張の証明がわからなかったので休息がてら今日は一日中ダラダラ考えてた.(一応↓は昨日の記事)

Sardの定理

で取り敢えずそれなりの証明を考えてみた.


をMの座標近傍系, をNの座標近傍系, を可微分写像,AをMの零集合とする.

定義から ルベーグ零集合であることを言えばよい.


                        

より

                       

補題より ルベーグ零集合であるからルベーグ可測集合で,ルベーグ測度の正則性より任意の正数εに対して,あるR^nの開集合 があって

                    

とできる(mはルベーグ測度).これより

             ・・・(*)


ここから先は間違い

ここで少し変則的な方法(R^nの位相的性質をつかって)で零集合であることを示す.R^nはリンデレーフ空間であるから{O_β}のうち可算個の部分開被覆{O_n}が存在する.つまり

また

とできるから

                                 

の測度は任意の正数εで抑えられる.(ここがおかしい.O_βのとり方がεに依存するから抑えられない) これより(*)から

                

となりεは任意であったから主張が得られた.




やっと自分なりに納得する証明ができた.これでも穴があるかもしれないけど. ルベーグ測度の正則性とR^nの位相的性質がかなり効いている気が.

松島多様体だと次元が等しい時のSardの定理の証明しか載っていないので,せっかくだからと思いMilnorのTopology from the Differentiable Viewpoint (Princeton Landmarks in Mathematics) を取り寄せた.


Topology from the Differentiable Viewpoint (Princeton Landmarks in Mathematics)Topology from the Differentiable Viewpoint (Princeton Landmarks in Mathematics)
(1997/11/24)
John Willard Milnor

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これでSardの定理の証明を追ってみようかと.冬休みだし.駄目だったら試験明けくらいにまた落ち着いてやってみようかな.



追記:やっぱりこの証明はおかしいことに気づいた.Mにリンデレーフ性(もしくは同値な条件である第二可算公理)が必要な気がする.Mにリンデーレフ性があれば考えるV_βは可算個で良いので零集合であることが言えるからこの証明は正しいと思う.そもそもこの証明だと「ユークリッド空間の零集合の非可算和は零集合」ということが真であることになり間違えている.

松島多様体には自明とあるので考え違いをしている気がする.

Sardの定理

冬休みを使ってSardの定理の証明(松島「多様体入門」)をもう一度おってみた.


Sardの定理: を可分な多様体の間のC^∞ 級写像とする.f の臨界値の集合は測度0である.


まずn次元多様体Mの部分集合Aが測度零であるとは,Mの座標近傍系を として ルベーグ零集合であると定義されている.これが座標近傍系の定義によらないことは次の補題から示される.


補題1: をC^1級とし,Aをルベーグ測度零集合とするときf(A)もルベーグ零集合である.


http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1224018907 では多様体にリンデーエフ性やσコンパクト性を仮定しないと成り立たないということで決着しているみたいだけれど,その仮定は必要ないと思う.何故ならばユークリッド空間はσコンパクトであるから,Mの別の座標近傍系を として

とでき,結局 が測度零集合であることが示されればよく,あとはコンパクト性と補題1から主張が従う.


ここまでは良かったのだけれど次の主張で詰まってしまった.

補題2: M,M'をそれぞれn,m次元可微分多様体とし,fをMからM'への可微分写像とする.そのとき

(i) n < m ならば f(M) は M' の測度0の部分集合

(ii) n=m のとき A を M の測度0の部分集合とすれば f(A) も測度0である.

(i)は(ii)から従うので(松島参照)良いのだけれど,(ii)は補題1とMの測度0の定義から明らかとあるがわからない.M'の座標近傍系 として が測度0集合であることを補題1を使って示すにはどうするんだろうか・・・