突然終わるかもしれないブログ

確率や統計の内容について記事を書く予定です.

2012-01-01から1年間の記事一覧

Problem5.4.4

Problem5.4.4 連続で適合している確率過程 がd次元のブラウン運動であることの必要十分条件はが任意の に対して連続な局所マルチンゲールになることである.ただし とする.証明 がd次元のブラウン運動であれば, が連続な局所マルチンゲールであることは伊…

Problem5.3.13

Problem5.3.13 はd×d行列で,任意の(t,x)に対して正則であるとする.また は一様に有界であり, の最小固有値は(t,x)によらずに下から正の値で抑えられているとする.さらには初期分布 の弱解を持つとする.このとき確率微分方程式は初期分布 の弱解を持つこ…

Exercise3.5.11(Robins&Siegmund(1973))

Exercise3.5.11 ν>0, c>1 に対して次のような -stopping time を定義する.このとき[証明]よって . またより ・・・(1)あとは であることを示せば十分である.なぜならばこれが成立すればWaldの恒等式からとなり,(1)の両辺の期待値をとって整理すればを得る…

Exercise3.5.10

Exercise3.5.10 Wをブラウン運動,, を前の記事と同じ確率測度とする. を での期待値とすればが成立する.[証明]あとは Exercise2.8.4 と同じように考えればλについての二次方程式 の解は であり, に注意してbの正負で場合分けしてλを選べば結論を得る.[…

Problem3.5.7

Problem3.5.7 を一次元のブラウン運動とする.ただしフィルとレーションはWを可測にする最小のσ加法族とする.Tを -stopping time でかつ, を満たすものとする.このときWaldの恒等式が成立することと,が成立することは同地である.ここで確率測度 は とし…

Exercise2.8.4

Exercise2.8.4 とするとき,となることを,マルチンゲール とOptional Sampling Theoremを用いて示せ. [証明] まず大数の強法則からさらにOSTからここで よりルベーグの収束定理からまた単調収束定理から以上よりとなり結論を得る.[証明終] T_bの分布がわ…

Xを時間に関して一様でないマルコフ過程とするとき,(t,X_t)は時間に関して一様なマルコフ過程となる.

ChapterIII Exercise(1.11) (Revuz-Yor) Xが時間に関して一様でないE値マルコフ過程とするとき,(t,X_t)は時間に関して一様なR_+×E値マルコフ過程となる(これを"time-space" processと呼ぶ)ことを示せ. またこのとき,推移関数(transition function)を書き…

LCH,second countableな空間の点を分離する非負値C_0関数列

主張 Eを局所コンパクトハウスドルフ(以下LCHと略す)かつ第2可算公理を満たす空間とし, をE上の非負値連続関数で無限遠点で消える関数全体とする.このとき関数列 で任意の相異なるEの2点x,yに対してあるf_nがあってf_n(x)≠f_n(y)となるものが存在する.補…

正則+第2可算公理⇒正規

主張 正則(ハウスドルフ性を入れなくても良い)でかつ第2可算公理を満たす空間は,正規である.[証明] 内田先生の集合と位相の本の演習問題(p107)になっていて,そこにある方針で示します.以下A,Bを互いに交わらない閉集合とする. (1)開集合系{U_n}, {V_n}…

Exercise5.2.27

Exercise5.2.27 次の1次元確率微分方程式の解を陽に求めよ.ただし,Wは1次元ブラウン運動とする.[解] とすると,この確率微分方程式はの解となる.σ(x)は2階連続微分可能で1階微分,2階微分ともにR上で有界である.b(x)も同様であるから,特にLipschitz連…

局所コンパクトハウスドルフ空間上では,ある連続関数の列でG-δコンパクト集合の定義関数に各点収束するものが存在する.

主張 局所コンパクトハウスドルフ(以下LCHとする)X上では,ある連続関数の列でG-δコンパクト集合Kの定義関数に各点収束するものが存在する.[証明] 次の事実を用いる.事実 LCHのコンパクト集合Kと開集合OでK⊂Oならば,コンパクト台をもつ実数値連続関数で 0…

Exercise5.2.17(Ito-Watanabe(1978))

Exercise5.2.17 Wを標準ブラウン運動とする.以下の確率微分方程式は以下のような非可算無限個の強解が存在することを示せ.ただし,, とする.[証明] がargument化したfiltration(からしゅれp285)に適合するのは明らか.また初期条件はであり,さらにより…

Problem3.3.23

Problem3.3.23 をd(≧3)次元のr(>0)を出発するベッセル過程とする. とするとき,となることを示せ.つまりYはベータ分布に従う.[証明] 伊藤の公式より, は局所連続マルチンゲールである.従ってあるstopping timeの列 で がマルチンゲールとなり, となる…

d(≧3)次元ベッセル過程はt→∞でほとんど確実に無限大に発散する

Problem3.3.24 をr(≧0)を出発するd(≧3)次元ベッセル過程とする.このときが成立することを示せ.証明 伊藤の公式から は非負値局所連続マルチンゲールである.よって連続な優マルチンゲールであるから が存在する.重複対数の法則より .よって となる.これ…

Exercise(3.12),Chapter2(Revuz, Yor)続き

Exercise(3.12),Chapter2(Revuz, Yor)[続き] (2) として とおいて(1)から つまりとなる. として結論を得る.(3) とすれば, より となる.(1)の結果からつまりとなる.(4) がマルチンゲールであることはすぐにわかる. であることを示す.非負のマルチンゲ…

Exercise(3.12),Chapter2(Revuz, Yor)

Exercise(3.12),Chapter2(Revuz, Yor) Mを正の値を取る連続マルチンゲールとし, とする.また とおく. (1) に対して となることを示せ.(2) より一般に が 正の値を取る 可測な確率変数であるとき であることを示せ.(3) B を を出発する1次元のブラウン運…

一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例2(M.Yor)

一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例(M.Yor)上の記事で一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例を調べたのですが,からしゅれでは次のExerciseでまたこれと同じ種類の例を挙げているので,証明…

exponential supermartingale

Problem3.2.28 をstandard Brownian motion とし をmeasurable,adaptedでを満たす確率過程とする.つまり確率積分は定義できるものとする.このときと定義する. は優マルチンゲールであることを示せ.また が単過程のときマルチンゲールであることを示せ.…

モーメント母関数の条件付き期待値

次の記事でKaratzasAndShreveのProblem3.2.28の証明をしたいと思いますが,そこで使う補題を示しておこうと思います.主張 を確率空間とし, を の部分σ加法族とする. また をほとんど確実に有界な 可測関数とし, を平均 0 分散 t の正規分布に従う と独立…

一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例(M.Yor)

Exercise3.3.36 を0を出発するd(≧3)次元ベッセル過程とする. は(i) 局所マルチンゲールであり, (ii) に対して (従って一様可積分)を満たし, (iii) マルチンゲールでないことを示せ.[証明] (i)Rが有界な範囲で止めて伊藤の公式を用いると有界変動の項が消…

Levy's Characterization の反例っぽいもの(反例ではない)

Exercise3.3.17 を3次元の0を出発するブラウン運動とし,とおく.このとき,どの二つのペア も2次元のブラウン運動になるが, は3次元のブラウン運動にならないことを示せ.またこれが,Levy's Characterization Theoremに矛盾しない理由を説明せよ.つまり…

cross variation の一意性(つづきのつづき)

cross variation の一意性(つづき)cross variationの一意性はやはり言えることを,Doob-Meyer分解の証明(分解の一意性のところ)をみて思いました.[証明] はどちらもnatural,increasingな過程の差で表されるから,任意の有界右連続マルチンゲール にたいして…

cross variation の一意性(つづき)

cross variation の一意性 で書いた証明は間違っていることに気づきました.<X>+2A+<Y>がincreasing であることを言うときにcross variation の全変動を抑える不等式は,間違えでした.とりあえず調べてみるとIkeda-Watanabe(Stochastic Differential Eq…

cross variation の一意性

主張 (2乗可積分マルチンゲールでかつ)とする.このとき がマルチンゲールとなり,しかも という分解を持つものはindistinguishabilityを除いて一意である.ただしとする. 証明 をX,Yの二次変分過程とする. がマルチンゲールであるから,もマルチンゲール…

確率積分における部分積分の公式

Problem3.3.12, を連続セミマルチンゲールとし,とする.ただし,M,Nは連続局所マルチンゲール,B,Cは適合した連続で有界変動な過程とする.また とする.このとき以下のような部分積分の公式が成立する.[証明] , とし, とする.このとき伊藤の公式より同…

pathが右(左)連続でadaptedならprogressively measurable

一度証明を書いておこうかと思います.主張 を実数に値を取る,右(左)連続で -adapted な過程とする.このとき過程Xは発展的可測である.[証明] 右連続の場合のみ示す.左連続の場合も同様. を以下のように定義する. は に各点収束する.実際 は右連続であ…

マルコフ過程で発展的可測であるが,強マルコフ過程でない例

からしゅれにも参照の本が挙げられていたけれど,ぐぐったら出てきたので紹介を.The Strong Markov Property and Martingale Problemsこの関数fを見つけてきたのはすごいと思いました.

ベクトル束に同伴する主ファイバー束の位相

をn次元可微分多様体, をr次元ベクトル束, ( はファイバー)とし,とする.また を局所座標近傍系, に対し とする. を局所的切断とする.つまり 局所標構場とするとき, ( は標準基底)とする.ここでとすると,全単射となる.Proposition1 の部分集合 が…

可測写像が与えられたもとでの条件付き期待値

Definition を確率空間,を可測空間とする. を可測写像, を実確率変数とし可積分とする.このとき  とすると, は上の符号付き測度となる.また (像測度) とすると, は に関して絶対連続となる. よってRadon-Nykodim 導関数が存在し,それを と表…

class DL

からしゅれに右連続非負値submartingaleはclass DLであるという主張があって,同様に右連続martingaleもclass DLとなることが言える.証明 a>0を固定し,となるstopping timeの族をとする.定義よりが一様可積分であることを示せばよい.Jensenの不等式より…