突然終わるかもしれないブログ

確率や統計の内容について記事を書く予定です.

a.s.収束と位相

Durrettの本に

Since there is a sequence of random variables that converges in probability but not a.s. , it follows that a.s. convergence does not come from a metric, or even from a topology.

とあった.


確率論の授業でも紹介されてた主張で,どう示すのかなと思っていたのだけれど,Durrettでは

Let be a sequence of elements of a topological space. If every subsequence has a further subsequence that converges to y then .

という主張から導けると書いてあった.

これからもしa.s.収束がある位相で定まると仮定して矛盾が導ける.確率収束する列から任意に部分列(確率収束する)をとって,Borel-Cantelliの補題からその確率収束先に概収束する部分列を取れる.概収束が位相から定まるという仮定と上の主張から,もとの確率収束する列は概収束する.これは矛盾.

という感じになる.

local flow

リー群M上の左不変ベクトル場をXとする.,Xの生成するlocal flowを とする.このときL_gとlocal flow は可換,つまり

が成立する.


感覚的には明らかな気がするんだけどわからなかったので調べた. (単位元の近傍のlocal flowに対応させる)がgの近傍のlocal flowになってることを示す.


となるから,結局gの近傍のlocal flow は となる.これより

となり を得る.

反例?

松島多様体で自明とあった補題.(前の記事参照→ Sardの定理 (続き) )


反例らしきものが出来たので.


まず多様体として というものを考える.ただし には通常の位相をいれ, に離散位相を入れたものとし,多様体は直積位相をいれたものとする.

座標近傍系 は以下のように取る.


このとき はHausdorff空間で(Hausdorff空間の直積はHausdorff空間になる),座標変換はRからRへの恒等写像のある開集合への制限であるから,これは1次元 多様体となる.

ここで写像  とする.これは多様体間の 写像である.

とすると,Aは の測度0の集合であるが, でこれは測度0でない.よってこれが反例である.


なんか穴があるかもしれないけど,第二可算公理がないとやはりなんかダメな気がする.

臨界点

写像度の話を読んでいたら臨界点の集合が閉集合であることの証明を思いついたのでメモ.



M,Nを可微分多様体としそれぞれ次元をm,nとする.可微分写像f:M→Nとする.Mの正則点全体の集合が開集合であることを示せばよい.

m < nなら任意のMの点は臨界点であるから正則点全体は空集合であるから開である.

m >= nのとき.Mの任意の正則点xに対してxを含むあるMの座標近傍 とf(x)を含む があって

ただしDfは


を(i,j)成分にもつn×m行列である.rankがnなので が正則であるとしてよい.この行列式はR^mからRへの連続関数であるから の十分小さい近傍で0でない.つまりこの近傍上で が成立している.これより正則点全体の集合をRとすれば,Rの任意の点は内点である.従ってRは開集合である.

多様体の境界

今履修している幾何学の授業の演習問題で「境界付き多様体の境界の定義が局所座標によらないことを示せ」というのがあって,位相幾何の本見たら何やら難しいことが書いてあって萎えてたんだけどもっと簡単に示せることが調べたら分かった.

境界の定義は可微分多様体Mの座標近傍系を として Mの境界∂Mは


ただし とする.これが局所座標によらない,つまりxの座標近傍 に対して

これを待遇を用いて

を示せばよい.座標変換は全単射なので座標変換のヤコビ行列は正則.よって逆関数定理から座標変換は局所同型. の開近傍を十分小さくとれば,その座標変換による像は の開集合にうつる.よって


そういえばMilnorの本が届いた.

Riemann測度

というのがあるらしい.具体的にはRiemann多様体M上のコンパクトな台を持つ関数全体から,Rへの線形汎関数


を定義してRieszの表現定理から多様体上にRadon測度を構成できるらしい.

この測度空間 に置いて をMの体積と呼ぶらしい.特にコンパクトで向き付可能のときは体積要素の積分と一致してる(f=1)からその拡張なのか?

Sardの定理で多様体上の測度0集合は定義するのに多様体上に測度を入れないのはなんか気持ち悪いなと思って調べたら,このRiemann測度というのが出てきた.


しかも

 σコンパクトなRiemann多様体(M,g)の任意の座標近傍系をとる(局所有限でなくてよいし非加算でよい). このとき次は同値.

(i) かつ
(ii) 任意の に対して ルベーグ可測集合かつそのルベーグ測度は0

この(ii)の定義は多様体上の測度0集合の定義そのものだからσコンパクトなRiemann多様体に関してはこの測度空間で考えるとSardの定理とかの議論も少しは見やすくならないかな.位相多様体が第二可算公理を満たすこととσコンパクトであることは同値で,パラコンパクトならRiemann計量が存在するからSardの定理の仮定からRiemann測度入れられるし.


うーん幾何と解析を混ぜたような話をもっと勉強してみたいです.精進あるのみですかね・・・

モレラの定理

複素解析の勉強をしてたらモレラの定理というのを学んだ.


モレラの定理: 関数f(z)がz平面上の領域S内において連続であり,かつS内の任意の閉曲線Cに対して常に

を満たすならばf(z)は領域Sの内部の至る所で正則である.



野口先生の複素解析の証明を読んでいて の条件をどこで使ったのかよくわからなかったけど,これは原始関数が一価関数であることを保証していることが分かった.

圧倒的複素解析弱者から脱却しなければ.