局所コンパクトハウスドルフ空間上では,ある連続関数の列でG-δコンパクト集合の定義関数に各点収束するものが存在する.
主張
局所コンパクトハウスドルフ(以下LCHとする)X上では,ある連続関数の列でG-δコンパクト集合Kの定義関数に各点収束するものが存在する.
[証明]
次の事実を用いる.
事実
LCHのコンパクト集合Kと開集合OでK⊂Oならば,コンパクト台をもつ実数値連続関数で 0≦u(x)≦1,u(x)=1 (x∈K),supp(u)⊂O となるものが存在する. (猪狩「実解析入門」6章などを参照)
とする.上の事実から各nに対してコンパクト台をもつ連続関数の列 で
となるものが存在する.このとき
となる.実際任意のnで とすると, となり矛盾.このnにたいして,
さらにXが第二可算公理を満たすとコンパクトG_δ集合を含む最小のσ加法族はボレル集合族に一致します.
Exercise5.2.17(Ito-Watanabe(1978))
Problem3.3.23
Problem3.3.23
をd(≧3)次元のr(>0)を出発するベッセル過程とする. とするとき,
となることを示せ.つまりYはベータ分布に従う.
[証明]
伊藤の公式より, は局所連続マルチンゲールである.従ってあるstopping timeの列 で がマルチンゲールとなり, となるものが存在する. , とすると,これらはstopping timeで, となる.
で, , より条件付き期待値のルベーグの収束定理より,
整理して
を得る.[証明終]
Exercise(3.12),Chapter2(Revuz, Yor)続き
つまり
つまり
となる.
(4) がマルチンゲールであることはすぐにわかる. であることを示す.非負のマルチンゲールであるから, が存在する.Fatouの補題から
となり である.よって(1)より となり,結論を得る.[証明終]
Revuz and YorのContinuous Martingales and Brownian Motionという本の問題でした.この問題を使って3次元以上のベッセル過程で0が非再帰的であることが示せるそうなので考えています.今後もこの本の問題を解くかわかりませんが,この本の問題のカテゴリはRevuzAndYorにしておきます.
Exercise(3.12),Chapter2(Revuz, Yor)
Exercise(3.12),Chapter2(Revuz, Yor)
Mを正の値を取る連続マルチンゲールとし, とする.また とおく.
(1) に対して となることを示せ.
(2) より一般に が 正の値を取る 可測な確率変数であるとき であることを示せ.
(3) B を を出発する1次元のブラウン運動であるとする. とするとき, の分布を求めよ.
(4) B を標準ブラウン運動であるとする. を用いて がパラメータ の指数分布に従うことを示せ.
[証明]
(1) とすると,これはstopping timeでありMはマルチンゲールであるから, もマルチンゲールである.よって となる.ここで
, であるから条件付き期待値のルベーグの収束定理より
となる.一方
となり,
となる.2つ目の等式は であることと条件付き期待値のルベーグの収束定理から従う.以上より
よって
[(1)の証明終][次の記事に続きます]
一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例2(M.Yor)
一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例(M.Yor)
上の記事で一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例を調べたのですが,からしゅれでは次のExerciseでまたこれと同じ種類の例を挙げているので,証明します.
Exercise3.3.37
Rを0を出発する2次元のベッセル過程とする. が局所連続マルチンゲールで
が成立することを示せ.また はマルチンゲールでないことも示せ.(一様可積分であることもわかる.)
[証明]
まず局所連続マルチンゲールであることを示す.伊藤の公式から
これより は局所連続マルチンゲールである.ただしBは1次元の標準ブラウン運動である.
ただしn次元球の体積を用いて積分を評価した(一様可積分かつ局所連続マルチンゲールであるがマルチンゲールでない例(M.Yor)参照).α<0のときは, として
これより
となる.次に一様可積分であることを示す.そのために任意の に対してL^p有界であることを示す.つまり
を示す.
よって
となる.これより一様可積分である.最後にマルチンゲールでないことを背理法を用いて示す.マルチンゲールであれば期待値が一定であるから